本日で年内の営業は終了となります。
ご来店予定の方は年末年始のスケージュルを
確認お願いいたします。
28日 (木) 通常営業
29日 (金) 休み
30日 (土) 休み
31日 (日) 休み
1日 (月) 休み
2日 (火) 休み
3日 (水) 休み
4日 (木) 通常営業今年最後のブログは数年前にオーダーいただいたカスタムジーンズ。
数年前のオーダー品がまだ作れていないので
現在、カスタムジーンズのオーダー製作はしておりません。
今のところ来年もオーダーを受ける予定はありませんので
売り物以外に興味のない方は長文なので読まない方が良いです。

このジーンズは数年前のオーダーで完全にお任せ。
オーダー製作の難しいところはオーナーさんの体型が決まってるところ。
これだけの量を縫込むとレングスが約5センチは詰まりますので
ジャストで作ってしまうとツンツルテンになっちゃいますから
色んな調整が必要になる訳です。

うちのカスタムジーンズは古い501をベースに作り込んでいくので
すでにキズ、大きなダメージ、歪み等があります。
壊れ方をチェックしながら目立つ部分、目立たない部分、
目立たせない部分を調整して骨格を作っていきます。

自分の中でいらないパーツは外します。
コインポケットのリベットは残す時と残さない時がありますが
501XXの場合は隠しリベットを外してゴミ箱に投げ込みます。

私の作るカスタムジーンズは同レベルの物を作るのに
私以上の時間がかかるので偽物を作る人もいないでしょう。

そもそも同レベルの偽物が作れるような技術と感覚を持ってる人は
いないので私にしか作れないジーンズだと自負しております。

このジーンズは中期頃の作り方を後期の方法でまとめたミックスっぽい仕上げ。
あくまでも自分の中での作り方なので私しかわかりません。

贅沢にも66の当て布が501XX。
昔の人なら66が壊れたら古い方のジーンズを部品にするでしょうから
修理の延長から生まれたうちのカスタムジーンズは
修理屋の作るジーンズなんです。

裾はロールアップした時に良い感じになるように仕上げました。
ブーツよりもスニーカーの方が着用頻度の多いオーナーさんに合わせた仕様です。

初期は部分的な作り込み、中期はほとんどに補強を入れ、
後期はほぼバラして全補強を入れるようになりました。
見た目の変化もあるんですがこのジーンズはほぼバラ。
ベルトループは全補強を入れて全てのボタンは補強入れて、打ち直し。

フロントポケットの中も全補強入れてるので普通にポケットも使えます。
ノーマルのジーンズと比べれば特殊な穿き心地になりますが
全体のバランスを考えて作ってるので一度穿いてしまうと病みつきです。

このジーンズの製作で最も大変だったのは左右のモモ〜ヒザに
かなり大きな穴が3個あってそれをどうするか。

目立たせる部分、目立たない部分、目立たせない部分の作り方で
全く見た目が変わるので最初から最大の壁との戦いだった訳です。

こちらも501XXのデニムを入れてます。
モモとヒザに濃いデニムを入れると「うるさく」なりすぎるので
その辺の調整が修理脳だと出来ない。

常にカスタムジーンズのやりかけを考えながら日々の作業をしないと
このクラスは作れないんですが修理が忙しすぎてこの数年は並行して作れず。
なので3年前のオーダーがまだ残ってる訳です。

ダメージがすごくて、変なリペアだらけの
どうしょうもないジーンズの修理から生まれた当店のカスタムジーンズ。

その作り方では作れないのが今回のベースみたいに
キズ以外は全く補強すら入らないようなジーンズ。

壊して、直して、補強してみたいにして作り込む時もありますが
今回はやりすぎないように作りました。

たまにやるんですがポケットには黒の綿糸を詰め込んで
修理と、補強と、目立たせる縫込みなんかも入れてまとめました。

今が良いのは当たり前なんですが
穿き込んで表情が出てくるイメージで作ってるので
今が一番良くない状態です。

パッと見ただけで誰が作ったか分かる物ってほとんど無い。
私はそういうギアが作りたいと思ってます。

現物はこんなもんじゃありません。
下手な写真では伝わりませんがオーナーさんが喜んでくれればそれで良い。

たぶんオーナーさんよりも長生きすると思いますので
何も気にしないで日常着として楽しんでいただければ幸いです。
今年最後のカスタムジーンズはこれにて終了。
11月、12月とフルカスタムを連続で製作したのは初めてかな。
我ながら良くやったと思います。
本当はパナさんの501XXも間に合えばでしたが
完全なるオーバーワークでも間に合わなかったので年明けから再開し、
修理しながら古株のオーダージーンズに入っていこうと思います。
最後にはなりますが今年も本当にありがとうございました。
ジーンズの修理屋としての骨格を一生懸命やりながら
新しい物作りに挑戦できるのも応援してくれる皆様のおかげでしかありません。
来年も物好きのおじさんたちに好んでいただけるような
面白いお店に出来るように色々と準備してますので
楽しみにしててください。
来年もよろしくお願いいたします。