今日の個体はオーダー製作ですので
販売用ではございません。
ですが、
この先にレギュラー化しても良い完成度でしたので
ボディの確保ができた時だけは作ろうとかと思います。
オーナーさんと何度かの打ち合わせを重ねて
出来たのがこのスタイルです。

最近の製作は4thベースのカバーオール。
これは1stベースです。
カバーオール型はこれまでにも何度か作っていますが、
今回の個体は胸ポケットの構成が独特です。

そうです。
ファティーグ風です。
と言っても
ファティーグのポケットはどれも使いにくいので
あくまでもカスタムとしてファティーグ風を表現しました。

骨格の作り込みはいつものスタイル。
なんですが
1stは最初から前立てにステッチが入ってるので
前立てステッチと、裾のステッチ入れ直しがありません。
なので
4thよりも骨格代金が変わりません。
そのお金をパッチ代金にできるので
お得な個体が1stです。

いつもは第一と第二ボタンの間に
スナップボタンを打ちます。
今回は打っていません。
オーダー製作であれば合っても、無くても大丈夫です。
打ちたければ後からでも打てます。

パッと見はポケットずらしに見えますが
このポケットは別の1stから移植しました。
なので1枚のユーティリティに2枚を使っています。
これで1stのSサイズはストック終わりました。

オーナーさんの希望は胸ポケに
スマホを入れたい。
それと出し入れがしやすいように
ポケットを斜めにして欲しいでした。

見た目だけだと
もっとポケットを斜めにさせます。
使い心地とボディの大きさのバランスから
今回は2インチほどズラしました。

物にはバランスってものがあります。
Mサイズであればもっと斜めに出来ますが、
Sサイズではここまでかと。
ここで生じる問題としては
ユーティリティシャツの左右見頃は大きさが違うって事です。
これによって同じ角度にしても、
見頃の大きさが違うので脇との距離も違うし、
前立てステッチへの重なり方も変わります。
あくまでも個体合わせで製作していますので
今回はこうなりました。
次はどうなるか楽しみです。

ポケットは横長のボテっとした感じ。
もう少しバランスよく作れますが
こうしています。
前身頃内で収めるともう少し綺麗な感じ。
最近はもっと大きくして脇のステッチを超え、
後ろ身頃に突入します。

そうするとこうなります。
脇がストレートではないので
こうなります。
これで良いと思っています。
カスタム感の出し方はさまざまです。
Mサイズ以上で前身頃がもっと大きくなれば
前身頃内でポケットを完結させます。

ボディの年代、形、仕様によって
なおかつ現物あわせでパーツを作る。
こうやって骨格の作り込みが終わります。
左右でポケットの位置が違って見えますが
着てみるとそうでもありません。
置いた時の見え方と、
着た時の見え方って違います。
何度も何度も微調整を繰り返し、
製作していく当店のカスタムユーティリティ。
と言って
ドンピシャを狙わずに
微妙にズラしたりもしています。
そこだと思います。
小さなこだわりの集合体が
パッチカスタムでどうなるのか?
明日のブログをお楽しみに。