そしてオリジナルショーツの製作へ

これは完全な職業病なんでしょうが

服を見れば修正点しか目に入ってこない。


昔から形あるものは何を変えたら自分好みになるか考えてるから

カスタム目線という事なのかもしれません。

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という事でファーストサンプルの製作に入ります。

巻き縫いのダブルチェーンステッチは合理的な素晴らしい縫製ですが

私の街着としての考え方からするとこの仕様になります。


最後までカンヌキ入れるか考えましたが今のポリ糸の強度を考えれば

入れないで問題ないと判断しました。


カンヌキは指定した幅に大量のミシンを入れるので

無駄に針が入れなくても良いとの考えもあります。

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縫製について、しかもジーンズではなく、軍パンのショーツの説明を

ここまで書く事は今後ないかもしれません。

自分的には20年代のジーンズの縫い方でショーツを作った感覚です。

古っぽく見せるんではなくシンプルに余計な縫製をやっていないって事です。

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これはセカンドサンプル。

Tパターンが1stでグリーンが2ndサンプルで最終になりました。

2ndで気づいたんですが子供っぽくてどちらかと言えば下品なカーゴパンツが

縫製を変えてるだけでどことなく上品に見えてきてる。

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裾は外折りでモモとの摩擦面がステッチだけになるから滑ってくれる。

通常は逆で内側に折り返しがくるから汗をかいてるモモと摩擦が起きて引っかかる。

着用感はこれだけでもかなり向上します。

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ちょうど良い少しの違和感。

違和感の集合体こそが「物」で全てはバランスだと思っています。

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そうやって聞いてから裏を見ればなるほどでしょう。

ジーンズが壊れるメカニズムもそうなんですが

汗をかいて濡れた肌と湿気を含んだコットンには激しい摩擦というか

引っかかりが生じるので弱い部分から切れる。

これが夏場に起こりやすいジーンズの壊れ方。


リップストップではそれが起こりにくいんですが

穿き心地を左右するのが摩擦、引っかかりなので

それを最小限にする事が着用感の向上となる訳です。

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アウトシームもインシームと同じように縫製方法を変えます。

チェーンステッチは引きが強いのでパッカリングなんて最近呼ばれる

独特のうねりみたいなものが出やすいのですが

雰囲気系じゃなくてギアとして作ってますからそんなのは無くて良い。

正確に言えば中縫い、ロック、ステッチだけでも出てしまうから

主張する必要はないかと。

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グリーンには「naoshiya」のタグが付きます。

これでただのミリタリーウエアとの差別化と言うか、

ワークとミリタリーの中間的な感じにしたい。


これはTパターンには付きません。

都市型迷彩にタグは邪魔ですからピスネームがウエストに付くだけ。

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ヒザもおしりも補強は無くしました。

現代人の生活には必要ないでしょう。

と言ってもこれがロングを作る場合はバイク、自転車の着用を考えて

何かしらの補強を入れますのであくまでもショーツの話です。

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この年代のタイプはボタンが2個ですが1つ。

理由は明確で1つで十分だから。

付属品を少しでも減らす事で軽量化の意味もあります。

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アメリカの厚手リップストップと日本の厚手リップストップは別物で

アメリカの薄手が日本の厚手くらいです。

90年代の軍パンは厚すぎるからLCリーフくらいの厚みで十分なので

日本の厚手を使いました。


小さな軽量化の積み重ねが約40%、半分くらいの軽さを感じを生み出します。

これ穿いちゃうと他が穿けなくなるなあ。

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それと私はいつもこうやってフラップを

玉縁ポケットに入れて穿くので2個は単純に入らない。

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ウエストベルトは7本から5本へ。

そして太さを501っぽい太さに変更し、アジャスターも排除。

当初はアジャスターを付けようと思ってたのですごい探したんですが

良いのが無かったのでちゃんと使えるループで落ち着きました。

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デットストックのグリーンは手持ちがあるのですがこれを使うと

1パーツでかなりコストが上がってしまいす。


それだけなら使ったんですが黒がないのでわざわざ染めて使うと

パーツ代だけでとんでもないので無しにしました。

下手したら織りのテープから作って2個付けたら+5,000円とかになっちゃうので…

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ウエストにプルタブを付けたのが唯一の自己主張。

Tパターンは柄だけでインパクトがあるので余計な味付けはしません。

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逆にグリーンはミリタリー感の緩和の意味でタグを少し目立たせる。

本当にちょうど良い。

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各年代でウエストの作り方が違いますが基本的にチェーンステッチです。

これは擦れて切れると外れちゃうので全てシングルステッチへ。

見た目は変わりませんがシングルだと少しは生地に沿うので強度が向上します。

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ここで小話。

工場に全てをシングルステッチにして欲しいと伝えた時に言われました。

「わかっているのか?」

あえて工場の量産システムから外れて単価をかなり上げてでも

やる意味を理解してるのかと言う意味だと解釈しました。


なので思いを伝えましたら「なら良いと」あえて量産に向いてない

「うちの仕様」で対応をしてもらえました。


私は物作りをする時に作り手さんにお金の話はしません。

一般的には販売価格を決めてその中で出来る事をします。

そんなつまらない物作りならうちでやる意味がない。

だからお金の話は最後の最後。


やりたい事を優先し、アイデア出して、パーツは自分でも探すし、

打ち合わせにものすごい時間と労力を使っています。

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ここまでの話だと見た目よりも実用性重視感が出ていますが

あくまでも見た目と実用性のバランス

「機能美」を一番に考えています。

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今回のショーツで唯一くらいの見た目的ポイントは

90年代のポケットの形状にむき出しボタン。

60年代1stファティーグの空気感を感じた方はミリタリー好きですね。

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これは私も軍パンを使用する物として隠しボタン方式は

それほど使いやすくないので見た目と実用性からむき出しにしました。

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言われても分からない違いですが1stのTパターンと

2ndのグリーンで5ミリ位置を変えました。

本採用はグリーンの位置です。

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ジッパーだと壊れたら交換しないとなのと、

ギリギリのウエストで選んだ場合、お腹が苦しければ

トップボタンを外して1インチウエストを大きく出来るシステム。


これまで説明していませんでしたが実はウエストサイズにかなりこだわりました。

アメリカ物のSサイズは30インチ前後なので小さい。

Mサイズはウエスト悪くないのもありますがかなり太くなってきて、

Lサイズは大きすぎる。


なので私はSサイズのトップボタン外しで着用する事が多いので

自分が着用するイメージでSサイズを31.5インチのイメージにしました。


Mサイズを33.5インチ Lサイズを36インチの方が穿くとちょうど良いサイズ感。

夏はジャストよりも少し大きめに選んだ方が穿きやすいので

私的にはかなり良いサイズ感にできたと思います。

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タグはいつものタグを使いました。

そしてポイントとして製品タグを付けていない事です。

この感じの見た目に洗濯表記とJAPAN MADEと主張する必要はないでしょう。

と言う事で余計なタグは付けていません。


当初はこれで完成という予定でしたが

新しいアイデアが出ちゃったのでもちろん動く。

しかも私ではなく妻のアイデア。

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バラックバックに入れての販売である。

共布で製作したポーチ型バックにアメリカ製のパラコード入れる。


これがまた地味に大変でパラコードは切っただけだとバサバサになるので

ヒートカットが必要になるんだが工場ではカットに必要な道具がない。

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しょうがない。

買ってうちで切ろう。

絶対に吸ってはいけない有毒ガスと戦いながらヒートカット。

Tパターンにはリフレクター入りの黒。

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グリーンにはACUデジカモ用をチョイス。

切った人にしか分からない余談としては

ヒモの種類で焦げた匂いが違うって事くらいですかね。

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この袋入りの販売は物好きには嬉しいでしょう。

アメリカ軍では一部の年代、アイテムだけかもしれませんが

フライトJKTを専用袋に入れて支給していました。


この袋に手荷物詰め込んでポーチにして旅、キャンプ等のアウトドアへ

出かけたら楽しいだろうと思って「ADVENTURE」と刻印しました。

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写真見ただけで楽しくなる。

見た目、実用性、機能性の全てが自分好み。

これが売れなければ今後、パンツの製作は諦めます…

それだけの覚悟で作りましたがこれを皆さんと一緒にあーでも、こーでも

言いながら次のパンツ作りに行かせたら嬉しいです。

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長々と書いた説明の最後に伝えておきたいのですが

このショーツをレプリカとして作ったつもりは

微塵もありません。


あくまでも技術者目線で好きな物を

より良くする為のカスタムとして作りました。

アメリカっぽくて、子どもっぽくて、ちょっと下品な、女性に人気のないタイプを

少しでも下品じゃなくて、子供っぽくなくて、

女性には人気なくて良いと思って形にしました。

売る為の物じゃなくて、作りたいギアを作りました。


明日、晴れたら写真撮っててショッピングページに掲載いたします。

物好きの皆様、よろしくお願いいたします。

本日も長々と長文にお付き合いありがとうございました。


2018..16 NAOSHIYA CUSTOM FACTORY comment0 trackback0

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