2ndサンプルの完成から少しした頃。
これで予定してた2月の販売が流れたんですが、
さらにとてつもない行動に出ます。
年末、生地屋さんの展示会に行ったんですが
そこでこの企画を根底から変える出会いがありました。
多くの新作生地の中で
誰も見てないデニムに引き込まれる。
それは11オンスのデニムでシルバーのセルビッチ付き。
面白いなあと思ったら質感も良い。
説明によるとアメリカはメンフィス州のコットンを使って、
日本で織られたデニムであると書いてある。
これは洗って見たいなあと
サンプルを取り寄せて、洗って、確信する。
1stで感じていた違和感の正体に。
これまでのサンプルはどこか古っぽい匂いがする。
これは悪い訳ではない。
でもそれが違和感の正体だったんです。
私が作る服の根底にあるものは
当店のフィルターを通過しないと存在しない服。
修理屋の仕事って壊れた原因を探す事がスタートラインであり、
物作りのバトンを次の世代に繋げるのが私の仕事だと思っている。
なので当時のような縫製で服を作る事は考えていません。
ビンテージの縫製って言われる多くは量産都合の縫製です。
100年前のジーンズ、80年前のジーンズ、50年前のジーンズが
何を教えてくれてるかってヒゲとか縦落ちなんかじゃないと思ってる。
どういう作り方をして、どうやって穿くと、どのように壊れるのか。
それを修正していく作業が修理屋の使命だと思う。
要するにファッションブランド、レプリカ屋さんが作る服とは
根本的に違う服の作り方を形にするのが修理屋の服作り。
時計の針を戻すのは服屋、時計の針を進めるのが修理屋。
ここで大きく方向転換する事になります。
私は服を着る事で面倒な行為を増やしたくない。
だからビンテージを着る事はほとんどありません。
家に帰ったら着てる服を洗濯機に投げ込んで洗いたいから。
基本的に当店の服は気軽に着れる事が一番。
そこに戻ってもう一度最初から作り直す事にしました。
なので3rdサンプルでありながら、
1stサンプルと打ったタグを付けた次のサンプル作りを始めます。
やり直しのサンプルは
3月の納品すら諦める事を前提に動き出します。
そしてこのブログもいつ終わるんだか…
ゴールがまだ見えてません。
その5につづく
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