という事で初公開です!!
昨日、紹介した生地の作り方で丁寧に織られた
これまでに体感した事のない生地で
当店が作った1stアイテムを紹介します。
伝統的な生地と言っても、
その全てを当店のアイテムに落とし込むの不可能です。
あくまでも世界観の中に融合させないと
1+1が2を超えてきません。
サンプルとして数種類の生地を買いました。
その中でも使える物、思ってるのと違った物、
今回のアイテムには使えないけど素晴らしい物と…
生地を触ってイメージを作る作業はすごく好きなので
楽しく価値のある素晴らしい経験が出来ました。
この企画は現在進行で進んでいます。
まず4アイテムの製作を同時進行でスタートし、
製作時間から2アイテムを先行させました。
これまでに触った事がない生地なので
予想できないイレギュラーが出る可能もあると
慎重に進めていましたが、
予想以上の事が起きまして1アイテムは検証中。
販売時期を考えれば来年になるのが有力です。
4アイテムからスタートして1アイテムが脱落。
物作りの難しさこそ、物作りの醍醐味です。
まず1つを形に出来た事が収穫で
残りの2つがいつ発表できるのか?
と言われれば近日です。
という訳で
形にしたアイテムを見ていきましょう。

今年の4月に初登場するミリタリーシャツの形に
日本の伝統を落とし込みました。
そうです。
もう4月にリリースするミリタリーシャツの形も
この段階で発表しちゃいます。
何だこれ?
ただのグレーのシャツに見えますよね?
寄ってみましょう。

何か線が走ってるのが見えますね?
そうです。
見た事ありますよね?
アメリカ的にいうとヒッコリーストライプです。

もっと寄ってみます。
灰色と白のストライプですね。
これは日本では大名縞(だいみょうじま)と言います。
江戸時代に木綿の単用に流行した伝統の生地。
このグレーの部分は墨染めです。
糸を染めるところから手作業で行われます。

アメリカ的な柄に、ヨーロッパ的な生地感に感じるが
これは日本の伝統的な生地です。
最初は違う形で作ろうと思ったのですが、
この素晴らしい生地を使ってどんな化学反応が起こせるか?

そう思ってこの形での製作に入りました。
和物生地でアメリカ物を作るだけでは芸が無い。
そこでオリジナルで作る新商品
「ミリタリーシャツ」の形で
和物とアメリカ物の中間を作ろうと決めました。

生地の素晴らしさを邪魔しない構成。

物が良い時こそ余計な事はしない。
それが難しいんですが一番物の良さを表現できます。

大好きな筒袖。
縫製は茶っぽいグレーの綿糸。

袖丈の長さが調整できるし、
ロールアップで楽しめる。

1stユーティリティっぽく作っています。
何ですがそれでは芸が無いので
骨格から全てオリジナルでパターン作っています。

ポコポコしてるのが見えますが
これはネップです。
旧型シャトル機で丁寧に時間をかけて作る
この生地は1日に最大でも30mしか作れません。
この生地の特徴がこのネップ。
ゆっくり時間をかけて作る事で
空気を多く含んだ生地になります。
このネップによって生地がポコポコしてますので
当たり面が面ではなく、点になります。
これにより空気を含みフワッと軽い生地感なのに
さらに点で当たる事で軽く感じます。

これだけフワッと軽い生地なのにコシがあり、
夏は涼しく、冬は空気を含み暖かい。
素晴らしい生地とはメリットがデメリットにならない。
日本で生まれた生地は日本の気候に合っています。
やはり湿度が低いアメリカ生地は個人的に好きですが
湿度の高い日本では快適性が高くはありません。
この日本の伝統生地は日本の天候に合いますので
それはそれは素晴らしい着心地となる訳です。

写真でも伝わりますかね?
フワッとしてる感じ。
これで1WASHです。
ネップと空気を含む生地にしか出せない生地感。

今回、この素晴らしい生地だけにあぐらをかく事なく、
ボタンの付け方にもこだわっています。
当初は別のボタンでしたが
落とし所としてミリタリーっぽいボタンにしました。
当時物ボタンで構成しようと思いましたが
あえて新品ボタンです。
これから何十年と残っていく服ですから
古いボタンだとどうしても割れてしまいます。
これから始まるこの服の歴史を考えたら
新しいボタンで死ぬまで着れる服にしよう。
で、こうなりました。
ボタンの付け方だけで何回の打ち合わせと交渉をした事か…
これはサンプルで私の手縫いです。
これを機械でやれるはずなのに出来ないと何度も言われ、
工場で手縫いしてもらったら私よりぜんぜん下手…
そこで工場がいつもお願いしていない
ボタン付け屋さんに相談したらその機械があるとわかりました。
執念でこの付け方で量産が出来る事になりました。
これはアメリカ軍のユーティリティシャツの付け方です。
絶対に機械でできると執念で勝ち取ったディテールですが
もちろんのコストアップとなりました。

オーラがすごい。
明らかにその辺で売ってる服とは違います。
呉服屋さんで売ってる質感です。
それを愛用品専門で販売します。

この写真では物の良さが表現できていませんが
これだけの話を聞いて興味がでない方はほぼいないでしょう。

藍染めのTシャツ、カットソーに
このシャツ着たら着心地と質感が最高です。
ちょうど良い融合ができた自信作です。
これをこの企画最初のアイテムとして販売します!

話の流れでもうお分かりだと多いますが
枚数が作れません。
しかも当初予定していた生地の長さも確保できませんでした。
おおよそで20着しか作れません。
製作分はこれしかないので
各サイズ数枚しかありません。
それを現在、制作に入っています。
これだけの生地で作ったらいくらになるんだ?
普通なら企画すら通りません。
でもうちは関係ありません。
自分が作りたい物を作るから。
普通に考えれば5万円以上になるでしょうが
当店は税込3万円以下で販売します。
これは私が買いたい値段であり、
売りたい値段ではありません…
最高すぎるアイテムの完成度に自信しかございませんが、
商売が下手で申し訳ございません。
次の2ndも楽しみにしてて下さい。
続く
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